CFDの背後にある「流体の方程式」を深く理解するために。
シミュレーション結果の妥当性を判断するには、流体の物理を知り、方程式の意味を理解することが重要である。
そこで本書は、非圧縮性流体を中心に流体力学の鍵となる方程式をまとめ、丁寧に解説する。
計算の主対象となる粘性流体だけでなく、教科書ではあまり取り上げられない混相流、河川や海洋の流れを扱う方程式まで広く網羅的に紹介するとともに、付録では数式展開に役立つ内容をまとめている。
流体力学をより深く理解するための勉強としても、CFDコードを使いこなすためのリファレンスとしても役立つ一冊。
第I部 粘性流体と乱流の方程式
1 Navier-Stokes方程式
1.1 応力テンソル
1.2 応力と変形速度
1.3 Navier-Stokes方程式
1.3.1 Navier-Stokes方程式
1.3.2 Navier-Stokes方程式の厳密解
1.4 運動エネルギー方程式
1.5 Navier-Stokes方程式の無次元化
1.6 非圧縮性流体の数値解法
1.6.1 MAC法
1.6.2 SMAC法
1.6.3 fractionalstep法/projection法
1.6.4 Helmholtz分解
1.6.5 Helmholtz-Hodge分解
1.6.6 HSMAC法
1.6.7 SIMPLE
1.7 Lighthill方程式
2 保存則と場の方程式
2.1 Reynoldsの輸送定理
2.1.1 変形勾配テンソル
2.1.2 Reynoldsの輸送定
2.2 質量保存則
2.3 運動量保存則
2.4 角運動量保存則
2.5 エネルギー保存則
2.6 粘性流体の内部エネルギー方程式
2.7 熱伝導方程式
2.8 支配方程式の完結問題
3 Reynolds方程式
3.1 乱流の発生
3.2 乱流構造の解析
3.2.1 乱流の統計
3.2.2 Kolmogorovの局所等方性理論
3.3 Reynolds方程式
3.3.1 Reynolds平均
3.3.2 Reynolds方程式
3.3.3 乱流の流速分布
3.3.4 円管内の乱流
3.4 Reynolds応力方程式
4 Reynolds方程式の完結問題
4.1 渦粘性モデル
4.1.1 Boussinesq近似
4.1.2 1方程式モデル
4.1.3 k-εモデル
4.1.4 平均運動エネルギー方程式
4.1.5 エネルギー散逸率εの輸送方程式
4.1.6 壁面近傍のk-εモデル
4.1.7 k-ωモデル
4.1.8 非線形渦粘性モデル
4.2 応力方程式モデル
4.2.1 応力方程式モデル
4.2.2 代数応力モデル
5 粗視化されたNavier-Stokes方程式
5.1 LESの基礎方程式
5.1.1 フィルター操作
5.1.2 粗視化されたNavier-Stokes方程式
5.2 SGS粘性モデル
5.2.1 GS/SGS運動エネルギーの輸送方程式
5.2.2 渦粘性近似
5.2.3 Smagorinskyモデル
5.2.4 境界条件
5.3 スケール相似則モデル
5.4 動的Smagorinskyモデル
5.5 SGS粘性モデルの改良
5.5.1 1方程式SGSモデル
5.5.2 coherent構造モデル
5.6 その他のLES 関連手法
第II部 混相流の方程式
6 気液混相流の方程式
6.1 二相流の支配方程式
6.1.1 直接解法
6.1.2 二流体モデル
6.2 界面の追跡法
6.2.1 界面追跡法
6.2.2 界面捕捉法
6.3 表面張力モデル
6.3.1 表面張力の表式
6.3.2 CSFモデル
7 固体球の運動方程式
7.1 流体中の固体球の運動方程式
7.1.1 運動方程式の構成
7.1.2 Stokes抵抗
7.1.3 Basset項
7.1.4 Magnus項とSaffman項
7.2 粒子粒状体の運動方程式
7.2.1 剛体球モデルと軟体球モデル
7.2.2 個別要素法
8 固液混相流の方程式
8.1 固相・液相間のカップリング
8.2 非Newton流体モデル
8.2.1 非Newton流体の構成則
8.2.2 純粘性流体の速度分布
8.3 連続相の方程式
8.3.1 体積平均操作
8.3.2 連続式と運動方程式
8.3.3 k方程式
8.4 分散相の方程式
8.4.1 粒子追跡法
8.4.2 Langevin方程式
8.4.3 拡散方程式
8.5 流体・構造連成の方程式
8.5.1 剛体の運動方程式
8.5.2 埋め込み境界法
第III部 成層流の方程式
9 浅水流方程式
9.1 水深積分と浅水流方程式
9.1.1 Leibnizの積分則
9.1.2 連続式の水深積分
9.1.3 運動方程式の水深積分
9.1.4 水深積分された乱流モデル
9.2 海浜流の方程式
9.2.1 水面波を伴うときの水深積分
9.2.2 radiation応力
9.3 回転座標系の浅水流方程式
9.3.1 回転座標系の運動方程式
9.3.2 回転座標系における粘性流体の支配方程式
9.3.3 大気・海洋の流れの方程式
10 開水路水面形方程式
10.1 1次元流れの支配方程式
10.1.1 1次元流れの連続式
10.1.2 1次元流れのReynolds方程式
10.1.3 1次元流れのエネルギー方程式
10.1.4 運動量補正係数とエネルギー補正係数
10.2 開水路水面形方程式
10.2.1 開水路定常流の方程式
10.2.2 等流公式
10.2.3 疑似等流水深と限界水深
10.2.4 一様断面開水路の不等流
10.2.5 特異点近傍の水面形
付録 A 流れの記述法
A.1 連続体力学
A.2 流れの物理
A.3 Lagrangeの方法とEulerの方法
A.4 流線
A.5 渦度と渦線
A.6 流体粒子の運動
A.7 流体に作用する力
B 連続式とEulerの運動方程式
B.1 連続式
B.2 Eulerの運動方程式
B.3 状態方程式と圧縮性
B.4 静水力学
C Bernoulliの定理
C.1 Bernoulliの定理
C.2 Bernoulliの定理の応用例
D 渦度方程式
D.1 渦度方程
D.2 Biot-Savartの法則
D.3 渦定理
D.4 2次元の渦運動
E 水面波の方程式
E.1 水面波の支配方程式
E.2 微小振幅波
E.3 Stokes波
F 数式展開の道具としての数学
F.1 ベクトル・テンソル解析の基礎
F.2 円柱座標系でのNavier-Stokes/Reynolds方程式
F.3 球座標系でのNavier-Stokes/Reynolds方程式
F.4 クォータニオンの基礎
F.5 方程式の離散化の基礎
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