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 ▼冷却塔開放式と密閉式の特徴  空調担当1 08/1/23(水) 8:21
   ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  みっちゃん 08/1/23(水) 9:13
      ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  空調担当1 08/1/23(水) 23:22
         ┣Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  masa 08/1/24(木) 0:20
         ┃  ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ada 08/1/24(木) 13:40
         ┣Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  みっちゃん 08/1/24(木) 10:28
         ┃  ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ada 08/1/24(木) 14:10
         ┃     ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  みっちゃん 08/1/24(木) 16:24
         ┃        ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ada 08/1/24(木) 17:06
         ┃           ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  空調担当1 08/1/24(木) 21:18
         ┗Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  みっちゃん 08/1/28(月) 17:07

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 ■題名 : 冷却塔開放式と密閉式の特徴
 ■名前 : 空調担当1
 ■日付 : 08/1/23(水) 8:21
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    某工場で日常運転管理をしています。
冷却塔で現在開放式の運転管理をしていますが、水の使用量(ブロー水)が非常に多いのですが・・・
 密閉式冷却塔は間接にて熱交換しており、水管理という観点から非常に有効だと思うのですが、冷却塔を選定する時一般的に開放式と密閉式はそれそれどのような特徴を持って選定されるのでしょうか?イニシャルコスト・ランニングコストを含めてどちらが有効か試算する価値はあるのでしょうか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : みっちゃん  ■日付 : 08/1/23(水) 9:13  -------------------------------------------------------------------------
   1.密閉式は間接熱交換が一段入るために熱効率が落ちます。そのため
−1.機器が大きくなる。
−2.機器構成が複雑になる。
−3.価格が高くなる。
−4.故障確率が高くなる。
−5.動力エネルギーを多く使う。

 当然密閉回路の水の汚染状況は開放と比べて格段に有利です。しかし、密閉式とはいえ、外気開放部分の水は存在しますので、水管理の手間もどのような意味で有利と考えられているのか不明ですが、なくなるわけではありません。

 密閉式の冷却や、加熱系を設計する第一選択の理由は、密閉部分の水管理の質により定まることが殆どです。

 よほど特殊な条件がなければイニシャルコストは開放式が安価です。
 ランニングコストも一般的には開放式に優位性があります。

 LCAで考えた場合や生産性を考えた場合の費用計算は要素と係数が多すぎてどのような計算結果も出てくるでしょう。
 配管の更新、機器の交換頻度、点検や故障の場合の不利益に対する価格構成などは客先により大きく異なります。

 極端な話、原子力発電の一時側冷却水を開放で使用するなんてことはありえないわけで・・・

 本音、回答するに迷ったのですが、水屋としては、本質が見えていない質問にどう答えるか・・・重要なのは、なせブロー水を多くして水を管理する必要があるかが重要になります。

 機器側の要求水質として、濃縮度が高い水が循環しては困る機器なのか、供給水質が悪いからなのか、管理すべき点はたくさんありますが、その点が見えないと回答の方法がありません。
 その点を詳しく記載可能ならば、もう少しまともな相談になります。
 公表しにくく、それでも相談されたいなら個別でも結構ですがその旨ご発言ください。時間を区切って連絡方法を掲載します。

   水屋のみっちゃん

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : 空調担当1  ■日付 : 08/1/23(水) 23:22  -------------------------------------------------------------------------
   >丁寧な回答ありがとうございました。
前回漠然とした質問内容でしたが、回答いただき水質という観点からさらに深く質問ができそうです。

「本音、回答するに迷ったのですが、水屋としては、本質が見えていない質問にどう答えるか・・・重要なのは、なせブロー水を多くして水を管理する必要があるかが重要になります。
 機器側の要求水質として、濃縮度が高い水が循環しては困る機器なのか、供給水質が悪いからなのか、管理すべき点はたくさんありますが、その点が見えないと回答の方法がありません。」

 現在、冷却水の使用用途は、冷凍機・冷温水発生機が大半をしめていますので、水質の心配点は、濃縮率を上げることによるMg・Ca・シリカ成分によるスケールによる熱伝導率の低下を懸念しています。
 水質源は工業用水です。(一般的水質で特にミネラル分が多いとかはありません)現在源水の5倍濃縮を基準として、ブロー水として排出しています。実際濃縮率をいくつまであげても問題ないかが、よく分かりません。
 理想論を言うと、ブロー水なしのクローズドシステムです。
例えば、スケールが出来にくくするために、薬液注入をし濃縮率10倍、20倍さらにあげて利用します。条件として、薬液注入したブロー水は排水として放流が規制されますので、排水処理設備を利用して再び冷却水として利用します。
 以上のようなことを含めて今後エネルギーコストの削減を試算していきたいと考えています。試算の価値はありますか?

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : masa  ■日付 : 08/1/24(木) 0:20  -------------------------------------------------------------------------
   どの程度の濃縮度だったか、わかりませんが、バイオ系薬剤使用で3シーズンブロー無しで運用した冷温水発生器が熱交換不良で運転不能になった例はありました。(冷却塔は開放式です)

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : ada  ■日付 : 08/1/24(木) 13:40  -------------------------------------------------------------------------
   >どの程度の濃縮度だったか、わかりませんが、バイオ系薬剤使用で3シーズンブロー無しで運用した冷温水発生器が熱交換不良で運転不能になった例はありました。(冷却塔は開放式です)

全国的にも有名な硬水地域で、薬注をしないでブロー管理していたところ、開放冷却塔に付着したスケールの重さで冷却塔が傾いた(倒れた?)ということを聞いたことがあります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : みっちゃん  ■日付 : 08/1/24(木) 10:28  -------------------------------------------------------------------------
    前提として、経済比較を行うことは、あくまでも仮定であって、各項目に対する重み付けや評価、また価格などは現時点での期待値であって、将来を保障する内容でないことを理解した上で行ってください。


>現在、冷却水の使用用途は、冷凍機・冷温水発生機が大半をしめていますので、水質の心配点は、濃縮率を上げることによるMg・Ca・シリカ成分によるスケールによる熱伝導率の低下を懸念しています。

 これはいくらでも対応可能です。一般的な対応としては、源水の水処理、循環水の水処理などを併用することにより、技術的にはいくらでも可能です。

>水質源は工業用水です。(一般的水質で特にミネラル分が多いとかはありません)現在源水の5倍濃縮を基準として、ブロー水として排出しています。実際濃縮率をいくつまであげても問題ないかが、よく分かりません。

 この部分があなたの一番理解されていない点です。検討するにもこの点を定めなくては検討も出来ません。
 一般的水質などは存在しません。地域や水系により水はまったく異なります。また時間経過により水は変動いたします。建築系の方はトレンドを採取するにしても20〜5秒程度の収集のようですが水は基本的には1秒が基本です。(特殊な場合にはmSとかμSもありますが今回の施設では必要はないと思います)一秒も立てばまったく異なる水が流れるのが水です。
 ですから水質を考える場合には平均と変動、そして最大値と、維持すべき水質に対する超過確率が重要になります。

>理想論を言うと、ブロー水なしのクローズドシステムです。
>例えば、スケールが出来にくくするために、薬液注入をし濃縮率10倍、20倍さらにあげて利用します。条件として、薬液注入したブロー水は排水として放流が規制されますので、排水処理設備を利用して再び冷却水として利用します。
>以上のようなことを含めて今後エネルギーコストの削減を試算していきたいと考えています。試算の価値はありますか?

 十分検討する価値はあります。ただ現状の水と使用機器の評価及び将来に対する予測をされないとmasaさんが発言されているような結果になることもあります。

 私は環境アドバイザーで本来はフリーランスなのでお手伝いしたいのですが、今年はある企業から専任の依頼をされているので、自由な時間があまりありません。
 字数も多くなりましたので、実際にあなたが行動すべきチャートは稿を改めます。

 資料収集には時間がかかりますので、とりあえず、現在使用している機器の種別、要求水質、設置年度、累積稼働時間、冷却塔との対応系列を調査しておくことをお勧めいたします。
 水質に関しては、工業用水道ならば名称が分かればある程度はお調べすることは出来ます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : ada  ■日付 : 08/1/24(木) 14:10  -------------------------------------------------------------------------
   みっちゃんさんが言われる様な手順を踏んだ上で、

http://www.gec.jp/OGT_DATA/LIQUID_J/html/OGTj-414.html

↑これでいけると判断できれば十分メリットがありますね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : みっちゃん  ■日付 : 08/1/24(木) 16:24  -------------------------------------------------------------------------
   >↑これでいけると判断できれば十分メリットがありますね。

 痛い目にあいます。

 所詮濃縮しますので、大変危険な方法のひとつです。濃縮水を系外排出の便所などで使いきる場合には良いのですが、使用水に戻すのでは時限爆弾です。

 来週にはチャートを出します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : ada  ■日付 : 08/1/24(木) 17:06  -------------------------------------------------------------------------
   > 所詮濃縮しますので、大変危険な方法のひとつです。濃縮水を系外排出の便所などで使いきる場合には良いのですが、使用水に戻すのでは時限爆弾です。

極端な例を出してしまってすいません。
しかし、あそこまでシンプルにするには相当な技術とデータの裏付けがないと踏み切れないですよね。有る意味究極だと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : 空調担当1  ■日付 : 08/1/24(木) 21:18  -------------------------------------------------------------------------
   さまざまな回答ありがとうございました。
 しかし、添付ページの施工例ですが、各有名企業が多くの施工事例をだされていました。(内容は概要の概要でしたが。)
 確かに冷却塔ブロー水をそのまま再利用するのは、いつか、どこかで濃縮されたイオンが固形物となりどこかに堆積、付着して熱交換率を下げる結果となると分かりますが、それではどこまで濃縮可能なの?っという疑問は経験値、日常運転状況からの判断となるのでしょうかね。
 たまたま明日某冷却塔・ダンパーメーカーとの勉強会がありますので、いろいろ勉強してきます。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:冷却塔開放式と密閉式の特徴  ■名前 : みっちゃん  ■日付 : 08/1/28(月) 17:07  -------------------------------------------------------------------------
    現在使用している機器の種別、要求水質が主要な管理指標になります。

 これを冷却塔との対応に従い、一番仕様が高い機器により管理条件が定まります。

 水質管理の考え方には大きく分けて三種類の考え方があります。(当然途中段階に無限といえるほどの組み合わせがあります)

 1.供給水の水質を管理する方法。
 2.排水の再利用を考える方法。
 3.循環水の水質を管理する考え方。

 1の供給水の管理は、使用目的としては所謂一次純水の利用以上を考えるには経験的に適合しないと思います。一次純水の程度は軟水機またはRO水の利用ですが、ROを新規に設置の場合は経済的に殆どペイしないことが多いようです。
 2の排水の再利用を考える方法の場合、御社での水バランス上、濃縮水などをカスケードに使う施設がある場合以外は経済的に殆どペイしないことが多いようです。
 3は一番検討が容易な方法で、硬度分分散剤、防錆剤、生物抑制剤などを利用する方法です。

 設置年度、累積稼働時間、冷却塔との対応系列は改修する場合の時系列としての予算配備と改修コストの重要な用件になります。

 実際の検討は、お話を伺う限りでは、ご自分で総てを行うのは困難でしょう。では誰にどこまで依頼するかです。
 一番楽なのは、比較表の作成から総てを依頼することですが、あまりお勧めできません。水質管理業者さんは沢山ありますが、得手不得手があり、自社の得意な方向や、自社に利益が上がる方向に比較表を作ることが多いです。(これは不正とかの話ではなく、そう信じ込んでいるから進められるとの意味もあります)
 また実際の水管理や分析などを考えると、分析項目の管理や精度管理、指標項目の判断などは経験がものを言う範囲です。
 その他、実際に水を管理していくにしろ、薬品の購入や、機器設置費概算なども、結局は見積もりを取ることを考慮すると自分たちが行うことを考えれば比較的妥当な価格設定で積算することが多いです。(これは仕事になるかならないか分からない場合の概算見積より精度が良いことが多いです)

 場所が不明なのでとりあえず水管理の大手で、TZ化学、水のAカタカナ四文字辺りに依頼して、節水方法と節水金額の比較表の作成、水の分析を依頼することがお勧めです。(依頼する場合三社以上に依頼するのが基本ですがこの段階では二社で十分でしょう。可能ならば、地元の業者を入れますが基本的に検討能力がない場合が多いだけでなく、よほど業界に詳しくないと前記二社の代理店などをしていて商圏の問題など混乱する場合が多いです)
 依頼するのは工業用水の分析、現状での水の管理条件、節水機器の設置費と管理費、同様に冷却塔を密閉式にした場合の節水機器の設置費と管理費(一次側二次側供)、節水予定量です。
 同様に、出入の設備業者から、冷却塔の工事費の見積を取ります。

 実を申しますと、節水費用などは簡単に計算できるのですが、問題は現状把握の点で、オーバーブローコントロールが正確になされているのか、現状の季節変動や、使用時間などが把握されているのかなどが気になります。
 正確に解析された水使用量のデーターがありませんと、解析する節水量も絵に描いた餅以上にひどい結果になります。正確な分析がなければ、一部でも良いですから計器を設置して把握する必要があります。

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