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 ▼厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限  転勤族 17/1/13(金) 10:45
   ┗Re:厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限  masa 17/1/14(土) 13:42
      ┗Re:厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限  転勤族 17/1/14(土) 16:07

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 ■題名 : 厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限
 ■名前 : 転勤族
 ■日付 : 17/1/13(金) 10:45
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   「消防予第206号 平成3年10月8日消防庁予防課長」通知以降、明確に厨房排気ダクトの板厚(亜鉛鉄板及びステンレス)が明記され、機能的に板厚が薄いジャバラダクト(仮に鉄フレキで板厚0.8t程度)の使用はできないと認識はしております。
(各地条例で「排気ダクトは、曲り及び立下りの箇所を極力少なくし、内面を滑らかに仕上げること。」等明記される内容に関してジャバラダクトが合致しない事も使用できない事を認識する理由の一つです。)

ここで厨房排気ダクトにおけるジャバラダクト(仮に板厚が0.5mmに満たない金属製フレキシブルダクト)新規使用に関して以下の3点の疑問があります。

疑問@インターネット上の情報では、「各市町村によって異なる」、「東京都は使用禁止する方向で指導」、「東京都では使用禁止」等複数の表現になっているのはなぜか?

疑問A東京都の指導はいつ頃からされているのかまた、それ以外の市町村の対応は?

疑問Bインターネット上の画像情報だが、ここ数年以内でも業務用と予想できる厨房排気ダクトに鉄フレキらしき材料を新規で使用している工事業者がいるのはなぜか?

実態として、「疑問@」から現在に至っても一部で新規使用が続けられている事が予測できますが、なぜ各都道府県及び市町村は明確にインターネット又はその他の媒体でジャバラダクトの使用禁止を示さないのか?消防に聞けばわかると思いますが業界のタブーなのかと勝手に思っています。

ちなみに平成22年「厨房排気設備清掃管理検討委員会」中間答申の中に厨房排気ダクトの設計・施工段階でお願いしたい点として「フレキシブルダクトは使用しない等」と明記されています。資料は抜粋なのですが、そもそも使用できないのであれば「フレキシブルダクト使用規制の強化」と表現すべきではないのか?とも思います。

アドバイス程度の情報でかまいませんので感想及び意見や関係する経験がある方のレスを御願い致します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限  ■名前 : masa  ■日付 : 17/1/14(土) 13:42  -------------------------------------------------------------------------
   疑問@については、消防法の規定により、火気使用設備の位置及び構造の規定に関しては、各地域消防長が制定する火災予防条例に委任されている事によります。
したがって、日本国内でも、市、町、地域消防組合などの地域消防単位毎に火災予防条例が異なりますし、条例本文にも、全ての規定が記載されているわけではありません。
したがって、その運用に関しては、地域消防単位で異なると言う事です。
政令指定都市などでは、運用基準の公開を行っている場合も多いので、その場合は、所轄消防署なども、同一の運用基準で対応している場合が多いでしょう。(ただし、所轄消防署長の権限などにより、独自の運用とする場合もあります)
総務省通達などの場合は、あくまでも各地域消防長に対する、助言としての位置づけですから、各地域消防長が判断して、運用する事になります。(独自基準のみで、通達等は考慮しないと言う地域も存在します)
法律で、明確に委任している事に関しては、監督官庁も強制はできません。(逆に委任されていない事は、法律どおりに運用しなければいけません)
A東京都においては、「予防事務・審査基準」、「火災予防条例の解説」等により、その運用基準が明確化されています。(公表されていない、東京消防庁内部通達も存在します)
条例で規定されている、火気使用設備の届け出が必要な厨房設備に関しては、かなり前から運用されています。(逆に条例届け出が不要な厨房設備に関しては、検査等が行われない可能性はあります)
東京都以外の運用に関しては、公表されている範囲でも、取り扱いはかなり異なると思います。(住宅のレンジフードに関しても、原則禁止と指導している地域消防は存在します)
主要政令指定都市では、原則禁止だと思います。(住宅までの規定は無い場合も有り)
Bフレキダクトの使用禁止に関しては、油煙が生じる設備に対する適用なので、油煙が生じない場合は、使用している可能性はあります。(ただし、水蒸気等による腐食が考えられるので、鉄フレキは使用はしない方が良いでしょう)
また、Aに書いたとおり、検査が行われていない可能性もあるので、そのような部分改修や、修繕では使用されている可能性はあります。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:厨房排気ダクトのジャバラダクト(フレキ)使用制限  ■名前 : 転勤族  ■日付 : 17/1/14(土) 16:07  -------------------------------------------------------------------------
   masaさん
とても分かりやすい解説で助かりました。
御回答内容で疑問は解決できました。

火災予防条例の解説(東京消防庁監修)は私も読んだので、疑問Aに関しては、特定部材の使用制限を所轄内部文書のみで運用している場合は、いつから使用制限を運用したか分からないという事で理解できました。

また、ある空調部材制作会社に、『東京都の指導はいつ頃からあるのか?』と質問してみたのですが、今から10年くらい前(2007年頃)から相談を受けるようになったそうです。

個人的には、防災上使用しないのが理にかなっていると思い平成3年以降の少ない経験の記憶では、厨房排気ダクトにフレキを使用したことはありません。(記憶ですので・・・・)

しかし、指導されている地域で改修工事を行うと現調できない天井内から予定していないフレキ(厨房排気)が出てくる場合もあります。その場合、当時の施工時期を考えてみても、指導時期さえも曖昧な状態で『既存のままで良いか』、『前施工者を探して是正してもらうか』、『お客様に相談して追加工事を発注してもらうか』正直に迷います。

余談ですが、東京都内に関しては『平成24年飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策』のガイドライン(東京消防庁予防部予防課)発表後は、設計段階から厨房排気ダクトの地位が格段に上がりました。これまで意匠優先で、納まりが悪かった”デカ物”の厨房排気ダクトは『厨房排気ダクト納まり優先』に生まれ変わりました。設備屋としてはうれしい限りですが、納まらない理由を各設備の総合図を作成して断面図で設計者に説明するのが手間です。(この手間は結構しびれます。)

余談を含めて長文になりましたが、丁寧なご回答重ねて感謝いたします。

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