(リリース引用)
ヒートポンプ給湯機のデマンドレスポンス効果を評価
~太陽光発電の2019年度問題解決に期待~
JST 戦略的創造研究推進事業の一環として、東京大学 生産技術研究所エネルギー工学連携研究センターの岩船 由美子 特任教授らは、2019年問題への対応として、ヒートポンプ給湯機のデマンドレスポンスと家庭用蓄電池の活用による家庭用太陽光発電システムの自家消費量拡大の効果について評価を行いました。
2019年以降、家庭用太陽光発電システムの固定価格買取制度(FIT)による買い取りが終了し、買取単価が大幅に下落する太陽光発電の「2019年問題」が顕在化し、家庭用太陽光発電保有世帯の経済性が悪化することが懸念されています。
本研究グループは、2019年問題への対応として、ヒートポンプ給湯機のデマンドレスポンスと家庭用蓄電池の活用を目的とし、ヒートポンプ給湯機、蓄電池の予測―計画―運用モデルを構築し、357世帯の実電力消費量データを用いて分析を実施しました。その結果、給湯機の最適な運用、すなわち、晴れた日の昼間に湯沸かし運転を行うことによって、従来の夜間運転に比べて、平均で年間5800円のコストメリットと、8%の省エネ効果をもたらすことが分かりました。このとき家庭用太陽光発電量の自家消費率は32%から45%へ増加し、家庭用蓄電池2~4kWh(キロワットアワー)を導入した時と同等の効果があることを確認しました。本研究で提案するヒートポンプ給湯機の最適運用機能が、すでに普及している製品の改造や新規導入によって実現されると、家庭用太陽光発電システムが大量普及していく日本では、デマンドレスポンスによる系統の柔軟性向上と、同時に省エネ効果を実現することが可能となります。
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