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なかなか悩ましい問題ですね。
冷媒管の結露は、「冷媒管の温度低下」×「天井内の温湿度環境」×「建築側の断熱・気密性能」が重なって発生します。
以下、経験も含めて、要因と対処方法を整理してみます。
【1. 結露の要因】
● 冷媒管の表面温度が下がる
・近年の冷媒サイクルは低温傾向で、冷媒管表面が結露しやすくなっている気がするけど、検証はしていません。どうかな?
・開口部を開けたまま空調運転を続けると、コンプレッサーが連続稼働して温度が下がり続け、結露しやすい方向になる。
● 天井内に湿った空気が侵入する
・気密性が高くとも、風除室や軒先など外気に接する空間と冷媒管がある空間の天井がつながっていると、負圧時に外気が流入し結露します。
・天井給気チャンバー方式では、梅雨時に外気処理機が**未処理の外気(生外気)**を吹き込んで結露した例もあります。
● 壁・天井内部の通気・断熱不良
・通気層の潰れや断熱材の欠損で、湿気が排出されず滞留すると、内部湿度が100%に達することもあります。
【2. 設計・運用時の対処方法】
● 計画段階での工夫
・第2種換気(給気強制・排気自然)で室内を正圧にする
・全熱交換機で給気過多設定とし、外気の流入を抑える
・天井内部を排気チャンバー化し、天井内に湿気が溜まらないようにする
・空調の一部を天井内に吹くことで天井内部の温湿度を制御する
→断熱ラインの見極めを誤ると、冷媒管ではなく壁か天井内部で結露する可能性がある。
特に冬季は壁体内結露
【3. 根本的な話】
最終的には、建築側の断熱・気密計画がしっかりしていれば、冷媒管も結露しません。
設備側でできる対処にも限界があるため、構造・断熱・換気計画といった建築的な総合設計の完成度が大前提になります。
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